記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
まだ何をするのかは決まっていないのですが、友人と会社の同僚と自分の3人で起業したいと語り合っています。
友達同士で起業するのは良くないと聞くのですが、やることを前提で、アドバイスありますか?
● 回答
起業は基本的に1人で始めるものです。起業の目的も、商品も、仕事のやり方も、全てにそれぞれの個性が出ます。お友達同士や会社の同僚と起業するのは、絶対にお勧めできません。お互いの個性が衝突してしまうからです。
私は、月に4~5回、起業準備を始めたい会社員向けのセミナーを開催していますが、たまにそのセミナーにお友達同士や会社の同僚とご参加される方々がいます。
気心の知れた仲間同士、一緒に情報収集したり、夢を語り合ったりをするのは楽しいことと思います。ですが、そのまま起業することはお勧めしません。その理由は、先述のように、個性がぶつかり合い準備が進まなくなったり、起業後に失敗するリスクが高まってしまうからです。所詮は他人同士。お金、スピード感、熱量、遠慮、責任分担……など、実際のところ二人の未来は〝火種〟だらけなのです。
どうしても一緒にやりたい場合は、それぞれ独立した後、ビジネスパートナー(取引先)として仕事をしましょう。そうすることで、とにかく精神的に楽になれます。すれ違いが修復不可能になってしまったら、契約解消と共にスムーズにお別れし、また別の会社と契約すればいいだけです。信頼関係がなくなったのに一緒にいなくてはいけない状況は、本当に地獄です。
起業仲間は必要
一方、起業仲間は積極的に増やした方がいいと思います。同じ志を持つ仲間同士で、支え合いながら仕事をすることには大賛成です。競争関係にない起業仲間の存在は、何をする際にも大きな助けになります。
競争関係にない方がいいという意味は、自分の中にある「人と比べてしまう心」や「プチ嫉妬」が面倒なためです。世の中には、皆で同じことをする集団は多く存在します。会社でたとえるならば〝課〟における〝担当〟です。その中ではどうしても比較、競争があり、結果、感情が乱されることになります。
商品が違う、業界が違う仲間なら、多少の羨ましさは感じたとしても、大きく感情が乱されることはありません。水泳選手がお相撲さんに嫉妬することは滅多にないでしょう。確かに、ネガティブ感情が原動力となって頑張れることもあります。ですが、私は、「自分で起業するのだから、自由に、自分のペースで、楽しみながらやって欲しい」と考えています。カッコつけて言うなら、「ライバルは昨日の自分。周りなんか気にするな」ということです。
「いいと思う!」「ナイッス!」「いいよー」
北京冬季五輪で銀メダルに輝いたカーリング女子日本代表〝ロコ・ソラーレ〟が、試合中に掛け合っていた言葉です。とても気持ちのいい、素晴らしいことだと思いながら観ていました。
職場の人間関係では、なかなかできないことですが〝ほどよい距離感の起業仲間〟なら、お互いを全力で応援することができます。お客様や外注先なども、損得勘定なく紹介してあげられます。辛い時には励まし合い、自分の成功体験、失敗体験をシェアすることにも抵抗がありません。
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全10冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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