記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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女性が輝く社会は実に活気づきますね。今回は、私は女性が起業、独立することに大賛成だというお話をしたいと思います。
先ほど、30代女性会員さんからLINEをいただき「会社の上司に嫌味を言われて、大きな声で注意されて、とてもくやしい思いをした」というメッセージをいただきました。
そうですよね。くやしいですよね。聞けば「派遣はいいよなぁ」とも言われたとのこと。泣くほどくやしい気持ち、よくわかります。こういう話を聞くほど「はやく会社を辞める力を身につけてほしい」と思いますし、未だ、このご時世で男尊女卑とか、派遣区別とかをしている企業の情けなさを憂いてしまうわけです。
国税庁の「令和元年分 民間給与実態統計調査」によれば、30~34歳女性の平均給与は321万円(男性470万円)、35~39歳では313万円(男性529万円)となっており、男女のお給料にはまだ差があることがわかります。(データ:国税庁 長官官房 企画課「令和元年分 民間給与実態統計調査」(PDF23ページ))
派遣について言えば、時給という面では改善が進んでいるようです。上でご紹介した方の経験は「非正規=無責任でいいね」といった悪意のありそうな発言を受けたということなのですが、起業を目指す方は敢えて非正規になる人も多いです。
三大都市圏(関東・東海・関西)の平均時給は 1,724円(前年同月1,704円、前月1,725円)―オフィスワーク系は2007年2月度の調査開始以来過去最高を更新
人生で一番大切な資源は「時間」。そして、起業準備を優先するのなら、時間確保手段の最適化は当然のことでもありますからね。
会社を辞めて独立することは、男女問わず、20代の若いパワーと勢いで独立する場合であっても、または、その道で30年以上のキャリアを積んで準備万端で独立をする場合であっても、どんな場合でも不安はつきものです。それでもあえて30代女性にこそ、会社を辞めて独立してほしいと思う理由が3つあります。
もちろん、その場合には、非正規であろうが何であろうが、本業を持ちながら、土日週末などのお休みの時間に、コツコツ準備してください。
理由1:30代になると「周りの状況が見えてくる」
入社したてのころ、仕事を覚えたてのころは、自分の仕事のことに必死でしょうし、それでよいと思います。若いうちにがむしゃらに仕事をするという経験は、後から生きてくることが多いです。数年~10年程度、会社でキャリアを積んでくると、会社の組織のことや自分の仕事を客観的に見れるようになり、周りの状況もかなり分かってくると思います。
その上で独立したいという気持ちが少しでもあるということは、おそらく、今の会社(または、その業界)での自分の今後が見えてきた、周りの状況が見えてきた、ということがあるのかもしれません。それは、女性の出世におけるガラスの天井かも知れませんし、現状の仕事では、子育てとの両立は無理そうだということかもしれません。
或いは、このまま今の会社にいても理想の働き方ができない、自分のめざすキャリアが達成できそうにないということが、見えてきたのかもしれません。そのような「何となく感じる転機のタイミング」こそ「必要なことが必要な時に起こる」その準備ができつつあるという証拠であると思うのです。
理由2:30代であれば「失敗しても後がある」
独立する際には、もちろん成功するために、成功をして目標を達成するために独立するのですが、女性男性にかかわらず、最初から全てがうまくいくということは考えにくいでしょう。どんなに周到に準備をしていたとしても、多少の想定外は覚悟しておかなければなりません。
それでも後から取り返せるような失敗であれば、それも勉強のうちと考えればよいと思います。会社員を辞めずに準備しようと、私が常日頃呼びかけていますのは、そのためです。貯金を全てつぎ込んでしまって何も残っていないなどという、せっかく始めた事業はもちろん、生活まで破壊してしまうようなダーメジは、絶対に避けなければなりません。
30代女性は、そのような観点からもチャンスがいっぱいです。お仕事を続ける環境さえあれば、会社ではある意味で低空飛行で大丈夫です。世帯収入を計算して、時間確保のために非正規労働に移っても全く問題ないでしょう。
そして、小さな失敗を繰り返しながら、進んでいけばいいのです。40代や50代になってしまうと「もう後がない」「そんなことをして本当に大丈夫か」という気持ちになってしまいがちです(全然大丈夫なのですが)。そういう意味からも、30代は独立するのに最適だと思います。
理由3:30代こそ「ワークライフバランスを自分でコントロールできる」
20代後半~30代は、恋愛、結婚、出産と、人生のイベントが続くことがあります。現代日本においては、男性と比較した場合、女性の方が相手や家族に合わせて働き方を変えることが多いようです。社内恋愛の場合、同じ会社で働き続けることが困難になることもあるとか。事実、私の周りにも、結婚や出産で退職する女性が多いことは事実です。
もちろん、会社の制度を利用したり、家族の協力を得たりして、働き続ける女性は増えてきています。また、自分から会社に働きかけて制度を変えたりするケースも、最近は時々耳にします。ただ、会社で働きながら子育てをすることは、同僚や上司などの会社の人にも、子どもや家族にも、いつも申し訳ない気持ちを持ってしまう人も多いようです。
独立すれば、自分で働き方を決めることができます。仕事に集中する時期、子育てを大事にする時期、というように、自分でコントロールすることができます。業種にもよりますが、小さな子どもを持ちながら、働く女性の最大のピンチである「急な子どもの病気」にも余裕を持った対応ができます。
ワークライフバランスをコントロールできるということは、女性にとってもとても大きなメリットではないでしょうか。
まとめ
30代女性こそ、会社を辞めて独立した方がよいと思う理由を3つあげてみましたが、いかがでしょうか?
ちょっと断定的で思い込みの部分もあるかもしれませんが、30代女性は「周りの状況が見えてくる」「自分の置かれた状況が冷静に判断できるようになっている」そして「まだまだ若く、いくらでもチャレンジできる」という素晴らしさを持っています。
また、人生の中において、結婚や出産という重要なイベントが起こり、それまでの働き方を見直すタイミングがくることもあります。そんなとき、「ワークライフバランスをコントロールする」という決断をすることは、女性の人生も大きなメリットがあると思うのです。
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全10冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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