起業をするタイミングって? イチバンよい年齢、季節、環境って何?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

起業するのにベストのタイミングってありますか?

何歳で、どのような環境になったら、一年のうち何月に辞めるのがいいのでしょうか?
 

起業前質問集
 

● 回答

起業するベストのタイミングということですが、これは、やりたい、やってみたい事ができたら、ということだと思います。

ですが、最初は完全な素人です。どんなにサラリーマン経験があっても、経営者はまったく別の仕事ですので、少しは経験を積む必要があります。短距離レースのプロが、長距離にいきなり出て勝てないのと同じ、同じ会社に椅子があっても、サラリーマンと経営者は全く違うものです。

だからこそ、会社員のまま起業準備をすることをお勧めしています。

「起業=会社を辞める」ではありません。
 

スキル
 

また、起業する時期についてですが、これはいつでも構わないです。敢えて区切りを良くするのなら、12月31日に会社を辞めて1月1日に独立することでしょうか。例えば3月31日など、会社の年度末に合わせて辞める人が多いですが、個人事業で独立するのでしたら、個人事業の年度末は12月31日で1月1日から新年度ですから、その日にスタートする方が区切りはいいはずです。

税金面での計算も実務もその方がシンプルです。3月まで中途半端な収入があって、所得税を支払うよりも1月1日から自分でゼロから始めた方がわかり易いですね。
 

給与所得の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除及び基礎控除を除く。)を差し引いた残りの金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円以下の方は、申告は不要です。

国税庁「確定申告が必要な方」 より引用

 

タイミングを計る際、時期という考え方よりも「お金が溜まったら」という考え方をすることもあるでしょう。

事実、起業直後は収入が大幅に減るため、家族のいる方は貯蓄をとにかくしておくことです。家族がそのままの生活を維持できる1年分の貯金があるようでしたら、辞めるタイミングとして考えても大丈夫でしょう。
 

ポイント 起業するベストな年齢は?

起業をするタイミングって?

50代
 

年齢は何歳でも構わないというのは事実ですが、起業後、何年働くのか、それを考えると早い方が良いのだろうと思います。

過去に、起業するのなら30代がいいと書いたことがあります。それは、体力面からの理由で、今でもそう思います。現役引退が65歳とするなら、35歳で起業なら30年間、50歳なら15年、その間、全力で働き続けられるのかということです。

会社員は年齢が上がる程、体力的に楽な仕事に回してもらえることが多いでしょう。経営者になれば、その辺りの裁量は自由とは言いながら、やはり自分が一線で働く人が多いですし、創業後5年は、寝る暇もなく全力で働くことも多くなります。事業が上手くいかないときに修正力も、若い方があるでしょう。

そんなことを考えると、やはり30代がベストだと思います。20代は賞与をもらって、生活費を蓄える時ですね。
 

ポイント 起業する環境とは?

起業をするタイミングって?

副業
 

家庭を持っておらず、一人暮らしなら、何も考えなくても大丈夫かなと思います。いざとなれば、生活レベルを落とせるからです。自宅でできる商売なら場所は関係ありませんから、実家に戻るのもよいですね。

都心部に事務所を借りて起業するのは、確かに便利ではありますが、それは事業が安定した時に改めて考えましょう。創業する地域は、直接商売とは関係ありません。出店なら都心がいいと考えるのはわかりますが、その分、競合も増えるわけです。起業した最初の期間は、出費を極力抑えることを考えてください。
 

ポイント こんな場合は、すぐに辞めずにしっかり相談を

起業をするタイミングって?

独立したい
 

自分自身の債務、借金がある場合には、計算を慎重に。起業は、ある程度やってみてからでないと収入が見えないので、ライフプランを考えることもできなくなってしまいます。

小さな借金は問題ありませんが、住宅ローンがあるのでしたら、会社員のまましっかりとスタートし、会社を辞めるタイミングはしっかりと考えましょう。

また、これまで一度も借金をした経験のない人は、起業前に、少額の投資をしてみるといいかもしれません。消費のための借金ではなく、投資のための借金です。先にお金を得て投資し、後から回収して返済するという感覚を持つためです。

たとえば、本をクレジットカードで買って、支払いが来る前に、その本に書いてあることを実践して、実利を得るということです。ミクロの借金ですが、これを大きくするのが事業です。

常に現金払いが安心という人は「消費することだけ」に慣れてしまっています。持っているお金を上手に使いこなせる人は、借金で得たお金も上手にやりくりして、増やすことができます。

とは言え、もちろん無理して借金を作る必要はありません。そのような感覚も起業すれば必要になりますよ、ということです。
 

ポイント まとめ:起業をするタイミングは?

起業をするタイミングって?

副業
 

経験に勝る学びはありません。困難を乗り越えた経験がない人が、トラブルの解決に優れているとは思えません。そういう意味でも、会社員のままであれば、大抵のことは練習として体験でき、また、小さなビジネスを始めることで、実戦経験も積めるわけです。

結論として、起業するタイミングは「30代」「会社員時代」がベストだと思います。会社を辞めるタイミングは「30代」「1年分の生活費ができた時」でしょうか。もちろん、これはベストであって、これじゃなければいけないという意味ではありません。どんな人にもチャンスがあり、努力をすれば掴める可能性は高まります。
 

今日は「起業と年齢の関係」についてお話をしてみたいと思います。  起業に「適齢期」はあるのでしょうか? 学生起業も珍しくなくなり、大学には、アントレプレナー研究会のようなビジネス系サークルも次々と立ち上がっています。一方で、シニア起業も定着し、定年退職後に起業したいと考えて勉強されるケースも増えています。どの起業、年齢がよいと一概には言うことはできませんが、学生さんには「体力」があり「夢」があり「行動力」あります。社会人経験が無い故に、余計な心配することがなく、そういう意味での「突破力」ありま...

 

頑張りましょうね。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全10冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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