記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
銀行融資を受けたいと思うのですが、何を準備すればいいのでしょうか?
● 回答
起業18では、基本的には融資を受けることはお勧めしていません。
借金ができるということは、人として信用されているという良い側面もあるのですが、やはり、不確実なビジネスで大きな借金を最初から背負うことはリスクも大きいですから、事前にしっかりと考えておく必要があります。
どうしても資金調達が必要な場合、まずは、クラウドファンディングを検討してみましょう。その方がリスクも低く、しかも、宣伝効果も期待できます。
しかしながら、クラウドファンディングは、一定の支持を集めなければ成立しない(最低ラインの金額設定がある)ものなので、社会性がない起業アイデアでは、難しい場合もあります。クラウドファンディングができそうもない場合、日本政策金融公庫の利用を検討しましょう。
銀行融資に必要なもの
やむを得ず銀行から借り入れをする場合、大前提として、事業計画書の提出が必要になります。最初はまずはじかれるでしょうが、アドバイスを受けながら挑戦するしかありません。
条件としては以下のような点が挙げられます。
- 5年分の損益計算書の予想と概要、数字の根拠を示す支出と収入の具体的な数値がある事。
- 出来れば銀行指定のフォーマットを用意する事。
- 信頼出来る税理士を探しておく事。
この中で、具体的な損益計算書の予想を5年分用意するというのは、起業する人にとってはハードルが高いですね。仕入れがあるなら原価、仕切値や入荷単位などの情報が必要ですし、取引先は既に契約が事前にある事が前提となります。(参考:「事業計画書の書き方~融資・出資を受けて起業するなら」)
サービスの場合は、経費と人件費、コンプライアンス指針なども求められる場合があります。初めての起業する際には、会社の信頼性はゼロですから厳しいですが、できる限り説明するしかありません。
銀行融資はいわゆる借金とはちょっと違い、直ぐに返済するというよりも、継続的な追加融資を前提としています。貸す側にも一定の社会的責任、役割があるため、経営についてあれこれと突っ込まれるわけですが、それは仕方ありませんね。
どの銀行が融資を受けやすいか?
一人社長、事務所は自宅、そんな会社がメガバンクから融資を受けられるのかどうかと言えば、もちろん不可能とは言えませんが、一般的には、身近な地元の地方銀行、信金などが選択肢になります。
メガバンクをメインバンクにすれば、ホームページに「取引銀行」として大手の名前を書けるので見栄えがいいと思うかもしれませんが、融資を乗り換えたりして信頼関係を失くしてしまうよりも、地元の地銀とは長くお付き合いした方がよいと思います。
メガバンクからの融資も環境が整いつつありますが、融資単位も大きくなりがちで、その分、事業計画のチェックは厳しくなります。
事業計画書とは何なのか?
事業計画書とは、市場規模と同業者の客観的な情報、テストケースなどがカギとなります。要するに「前例があるから需要が見込めます」と言いたいわけです。
「収益性」「安全性」「成長性」や「債務能力」などが基本ですが、仮説段階でこれを力説しても無意味です。どこまでも数字のつじつまが合っていなければなりません。
そういう意味では「どれくらい融資を受けるか?」ではなく「この融資が妥当だ」という視点が重要です。見た目の良い計画を策定することではなく、良い結果を導き出す方法論があることが大切なのです。
今では、有名企業も事業計画書をネットで公開していますので、具体例として参考にすると良いかもしれません。
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全10冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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