記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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0円起業とは、法人登記もせず個人のまま、お金をなるべくかけずにビジネスを始めることを指す言葉です。ですが、本当にゼロ円でできるわけではありませんので、そこはあらかじめ知っておく必要があります。
個人で始めるビジネス、しかも、初めて起業するには、成功しないことを前提にし、リスクの小さいことから始めることが鉄則です。今回は、0円起業アイデア6種のメリット・デメリットをご紹介します。
「非接触」「オンライン」がすっかり定着し、企業活動は元に戻りつつありますが、小さく始めるビジネスであればオンラインで完結しても違和感はなくなりました。私たちがこれから起業するには、どのようなビジネスが手堅いのでしょうか?
答えは「0円起業」にあると思います。世界情勢もどうなるかわからず、株価も乱高下する今、日本の景気もどうなるかわかりません。今起業するには・・・
- 簡単に撤退できるビジネス
- オンラインや非接触でできるビジネス
- お客様が少なくても成立するビジネス
などを選ぶと良いでしょう。
起業アイデアには、個人にとって簡単なものと、資金や働き方の観点から実現が難しいものがあります。今流行りのものもあれば、市場が縮小しているもののあるでしょう。初めて起業する場合には、失敗することが前提ですから、低リスクであり、あなたが今、すぐに実行できることを選ぶことが大切です。儲かるより先に、小さく成功できることを目指しましょう。
ここでは、小さく起業するにはどうすればいいのか、どんなアイデアなら実行し易いのか、簡単な0円起業の6つのアイデアについてご紹介します。
起業するには「低リスク」が大事!
起業するには、やらなければいけない準備がたくさんあります。その中で一番最初にくるのは「何をやるのか?」です。大きなお金がかからず、すぐに実行できる6種のアイデアをご紹介します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.誰でもできる! 中古品仕入れ販売
スキルも一切不要。誰でも簡単にできるのが物販のお仕事です。安く買って高く売るだけ。一番原始的なビジネスと言えます。
フリマアプリを長く利用している人なら、徐々にどんなものが売れるか売れないかを見抜く目がついてきます。何もアイデアがないという人は、家にある不用品販売からスタートして、街のリサイクルショップで小さいもの仕入れて、フリマで販売してみてはどうでしょうか?
2.体ひとつでいける! 買い物や掃除などの雑用代行業
0円起業として、最も簡単な部類のお仕事です。起業するには、店舗や事務所を構えなければと考える人もいるのですが、そんなことはありません。体一つで働ければ、とりあえず収入を得ることは可能です。今は、スキルシェアサイトを使えば、スマホで仕事を請けられるので簡単です。
雑用代行は、たとえば、スーパーが遠い場所、坂が多い場所に住んでいる高齢者は日々の買物に苦労しています。ネットスーパーは、クレジットカードや複雑なパソコン操作ができることが前提のため、高齢者の利用率は高くありません。そこで、電話で注文を受け、日々の買い物を代行してあげれば、継続して依頼が来る可能性も高いです。掃除や電球交換など細かいニーズもあります。
3.カメラがあればできる! 写真素材のネット販売
写真を売るのはカメラマンだけの仕事ではなくなりました。写真ACのような素材提供サイトの普及によって、また、NFTなどの新技術も開発されている今、画像販売はビジネスチャンスです。素人が撮影した日常に値段がついて取引される時代なのです。
最近のスマホのカメラは性能が高いため、一眼レフすら必要ありませんし、旅好きの人なら各地へ出張して写真を撮る生活ができますから、とても幸福度の高い仕事ができるでしょう。
4.寝る前に電話で話すだけ! 愚痴聞きや相談ビジネス
- 恋愛相談
- 上司の愚痴
- 夫婦の悩み
- 不倫の懺悔
- 病気の悩み
など、人はいろんなことを心の内に抱えています。知っている人には話せないこともあります。そんな人の話を聴いてあげる、1日30分のお仕事です。
自分で売り込みや営業することに抵抗がある人でも、クラウドソーシングを利用すると相談者から連絡をしてきてくれます。イラスト、ライティング、デザインなどの特別なスキルなどは必要なく、相手を思う気持ちさえあれば誰にでもできるお仕事です。アドバイスをする必要はありません。「なるほど」と同調し賛同してあげるだけでいいのです。
5.使っていないモノを貸し出すだけ! レンタル業
0円起業などの小さなスタートをするビジネスでは、初期投資のない、今すぐできるビジネスを選択します。たとえば、子育て中のご家庭ならば、お子様が飽きてしまって使わなくなった「おもちゃ」や「絵本」などはありませんか? あるいは、別れた相手からもらったブランド品などは、捨てるのがもったいないなら貸し出してしまってはどうでしょうか?
不用品として売ってしまうこともできますが、売ってしまえば一時的な収入で終わります。レンタル業ならば繰り返し収入になります。最近人気のサブスクリプション(定額制)ならば、安定収入が期待できます。
6.カフェで簡単レッスン! できることを教える先生業
たとえば、語学が堪能であれば、カフェで簡単にレッスンを提供できます。カフェなので家賃の心配もいりません。スキルシェアサイトを利用すれば、オンラインでも簡単に集客できます。語学以外にも、様々なスキルを教えることができるでしょう。
カフェを利用すればコーヒー代はかかりますが、そんなに高額ではありませんし、自宅からのオンラインレッスンが難しい人でも先生ビジネスを始めることができます。
リスクも知っておこう! 上記のビジネスそれぞれのデメリットは?
低予算で始められるビジネスであっても、リスクが0のわけではありません。自分が許容できるもの、自分に合ったビジネスを選んで進めていきましょう。
中古品仕入れ販売:単なるせどりはもう終わり
いわゆる「せどり」はもうオワコンと考えてよいでしょう。そもそも世間から嫌われながら、小売店の店頭でコソコソ価格を調べて、ネットで売りさばくなどの手法が長く続けられる可能性は低いです。楽天やPayPayのポイントを狙うせどりもありますが、基本、世の中が応援してくれない手法なので、いつかは終わりになるでしょう。
中古品を仕入れて売るお仕事には、古物商許可を取る必要があります。古物商許可は試験を受けるわけでもなく、警察署に届け出をするだけです。古物営業法では、仕入れる場合は決められた方法で相手の本人確認をする必要があります。フリマアプリやネットオークションは、匿名取引のため相手の本人確認が難しくなります。(参考:非対面における確認方法「警視庁」)
最近は、フリマアプリの利用者が増え価格競争が激しくなっています。不用品や中古品を仕入れてそのまま売るだけでは儲けは出にくいです。
雑用代行業:時間の切り売りを解決する施策が必須
代行業は、単価が安く時間さえあれば、誰でも稼げます。しかし、単価を安くするのも嫌でしょうし、時間を使って疲れるのも嫌ですよね。スキルシェアサイトの利用手数料も結構掛かります。つまり、大きく稼ぐことができないお仕事なのです。
受けた仕事をさらに下請けしてくれる人に出すなど、仕組みを作った親分(胴元)が儲かるビジネスモデルなので、作業者としてどっぷり浸かると長く続けられません。また、洗濯代行(クリーニング業)など、許認可が必要になる場合もありますので注意して下さい。
写真素材のネット販売:元手なしで稼げるが単価が安い
写真素材を売って稼ぐには、大量の写真を単価高く売る必要があります。ですが、実際は1ダウンロード辺り数円なので、なかなか稼ぐというレベルには達しません。不労所得化するまでには、かなりの量と質が求められます。
また、撮影する時には、カメラ技術のみならず、事前に撮影許可が必要だったり、人が写らないように注意したりする必要もあります。動物園で動物を撮って売っていいのかなど、細かい法律の話になりますので、きちんと撮影許可を取りましょう。
愚痴聞きや相談ビジネス:セクハラおやじにご用心
特にあなたが女性である場合、昔で言うテレクラのような使い方をしてくるセクハラおやじには注意してください。大手スキルシェアサイトでは「お金になるなら」と女性側がそれを受け入れている場合も多いようですが、初めての時にはびっくりしてしまうかもしれません。
他人の話に丁寧に耳を傾けるお仕事にはスキルは必要ありませんが、性格的な向き不向きはあると思います。あなたの心がつらくなってしまわないように気を付けましょう。
レンタル業:何を貸すかで成果が大きく変わる
部屋、駐車場、時計、バッグ、洋服、自分自身、レンタル業はアイデア一つで多様な展開が可能です。今、世の中の人が所有しなくなったものにアンテナを立てておく必要があります。レンタル業には、図書館やレンタル自転車のように行政が参入してくる領域もあり、リサーチを十分に行う必要があります。
また、レンタル業も古物商許可が必要になったり、その他の許可が必要になる物がありますので、注意してください。
先生業:単価は下がる一方・・・付加価値を提供しないと稼げない
プログラミングやビジネススキルは需要があり高単価が期待できますが、単純な語学レッスンや汎用的なスキルを教える場合には、オフショア勢やスキルシェアサイト内の価格競争に巻き込まれ、価格は下がる一方です。先生の魅力もさることながら、コンテンツの掛け合わせなどで付加価値を高めなければ、起業するまでには稼げないでしょう。
また、女性が自宅や近隣のカフェなどでレッスンを提供する場合には、ストーカー被害にも気を付けて下さい。先生に恋愛感情を持つ人も少なくありません。
今から起業するには、低リスク(0円起業)をベースに考える!
自分にも会社にも、そして世界でも、何が起こるか分からない時代であり、一度失敗すると簡単には再生できない世の中です。そんな今起業するには「0円で起業してやる!」くらいの気持ちで考えて工夫をしていくことが、私たちの頭の使いどころだと思います。
お金を使って、大きくスタートするのは簡単です。ですが、それで起業が成功するかどうかは決まりません。「気軽にすぐにできるビジネス」で経験を積むことこそ、本当に勝負できる時に使える実力を身に付けるために大切なことなのです。
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全10冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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