記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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日本全体の低成長が続く中で、給料がなかなか上がらず、このまま会社に居続けて大丈夫なのかと不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
そんな中、注目され始めているのが「週末起業」。週末起業とは、会社で働きながら、夜間や休日の空いた時間を使って起業することです。
「そんなこと簡単にできるの?」と疑問に思った方もいるでしょう。確かに楽ではありませんが、決して無理なことではないのです。
ここでは、週末起業を成功させる4つのコツや、メリットや注意点、おすすめの業種、脱サラのタイミングなどを紹介していきます。
週末起業で成功する4つのコツ
週末起業で成功するコツは以下の4つです。
- お金をかけない
- 得意分野を攻める
- 明確な目標・計画を立てる
- やりやすい場所・環境の確保
それぞれ詳しく解説していきます。
1.お金をかけない
お金をかけずに始めましょう。起業をする上で、お金をかけすぎるのは良くありません。
理由は、お金をかけずに起業すれば、たとえ失敗してもまた挑戦することができるからです。
はっきりと言ってしまうと、起業する人の大半は失敗しています。これは、起業なんかしたって成功できないと言いたいわけではありません。起業をして、いきなり最初からうまくいく人なんて殆どいないという意味です。
今、大きな成功を収めている人たちも、そこにたどり着くまでに大なり小なり、いろいろな失敗を重ねています。一度も失敗せずに成功を収め続けている人などいません。その失敗から多くのことを学んで、諦めずに何度も挑戦した結果、今があるのです。
お金をかけずに始めてみて、もし失敗してしまったら、次は他の分野に挑戦してみてもいいですし、やり方を変えてもう一度挑戦してみるのもいいでしょう。お金をかけないことで、これだけのチャンスが広がるのです。
2.得意分野を攻める
得意な分野を攻めましょう。本業での経験や専門のスキルを持っていればそれを使いましょう。趣味を生かせる仕事があるのならそれでも良いです。
週末起業は、限られた時間の中でしかできないので、どうしても成果が出るまでに時間がかかります。とにかく継続しないといけません。
自分に向いていないことを努力し続けるのはとても辛いものです。ストレスが溜まり、モチベーションも下がると、本業にも悪い影響が出るかもしれません。そうなってしまうと長続きはしないでしょう。自分の得意分野であったとしても楽しいことばかりではありません。
ですが、得意分野であれば努力をすることも、それほど苦ではないと思います。むしろ努力すること自体が楽しくなることもあります。継続して楽しめるものを見つけて、無理のないやり方で起業してください。
とはいうものの、自分の得意分野がわからないという人もいると思います。もしかしたら、ほとんどの人がそうかもしれません。そんな人は、ちょっとでも興味のあるものや、これなら出来るかも、と思えるものにとりあえず挑戦してみましょう。
実際にやってみて気づくことがたくさんあります。やってみたら意外と向いていたなんてこともあるかもしれませんし、他の分野に興味がわくこともあります。もしやってみて自分には向いていないと感じたり、無理だと感じたのなら、きっぱり諦めて他の分野に挑戦すればいいだけです。
週末起業は、決して楽な道ではありません。自分の得意分野を見つけて、無理なく継続して努力できる道を進みましょう。
3.具体的で分かりやすい目標・計画を立てる
「絶対に起業で成功して収入を増やします!」や「週末起業を軌道に乗せて会社を辞めます!」ではだめです。この目標は、ぼんやりし過ぎています。
目標を立てる時は、できるだけ具体的に誰が見ても分かりやすいものにしましょう。数字を用いれば、より具体的な目標が立てられます。先ほどの目標に当てはめてみると「絶対に起業で成功して年収1,000万円稼ぎます!」「週末起業を軌道に乗せて3年後に会社を辞めます!」となります。数字を決めただけで、少し具体的な目標になりました。
目標が具体的になればなるほどモチベーションは上がります。先ほどの目標をさらに具体的にしてみると「週末起業を軌道に乗せて3年後に年収1,000万円達成します!」「3年後に年収1,000万円を達成出来たら会社を辞めて独立します!」最初のぼんやりした目標に比べたら、だいぶやる気も変わってきたと思います。
やりたい仕事が明確に決まっているなら、ここにその仕事もプラスすると完璧ですね。このように具体的な数字を示すことで、目標がはっきりしてモチベーションのアップに繋がります。
目標がはっきりしたら、次は計画です。
計画は、長期→中期→短期→さらに短期、の順に決めましょう。
期間は、長期は3年、中期は1年、短期は3ヶ月、さらに短期は今週、そして今日の計画まで落とし込んでいくのがおすすめです。10年、20年ともっと長い期間になると、あまりにも先過ぎるので逆にぼんやりしてしまいます。
まず長期の目標は「週末起業で年収1,000万円稼いで独立する」でしたね。
次は中期です。3年後に年収1,000万円にするには、1年目はどれぐらい稼げばいいでしょうか? 初めて起業をするなら、最初の1年の見通しも立たないと思います。そういう場合は、単純に1,000万円を三等分しましょう。三等分すると333万円ですが、ここではざっと300万円にします。これで中期の目標は「1年目の年収300万円達成」に決まりました。
同じように計画すると短期は「3ヶ月でトータル75万円稼ぐ」ざっくり計算すると、今週は「6万円稼ぐ」今日は「8,000円稼ぐ」となります。
実際には3ヶ月でトータル75万円稼ぐのはかなり厳しいでしょう。週末起業は最初に1円の成果をあげるまでに時間がかかります。そういう時は計画を見直せばいいので、ここはそれぞれの裁量なのですが、今回は「3ヶ月目で1日1万円の売り上げをあげれるようになる」にします。これなら頑張れば達成できそうな気がしますよね。
この目標が決まれば、最初の3ヶ月間は1日1万円売るための努力をしていきましょう。例えば商品を売る仕事であれば「1万円の商品を1個売る」「1,000円の商品を10個売る」「100円の商品を100個売る」ことで達成できます。その為には、何を売ったらいいのか、どう売ったらいいのか、誰に売ったらいいのかと考えて行動していきましょう。
そして、定期的に計画を見直すことも重要です。1ヶ月経って、思うようにいっていないのであれば方法を変えてみたり、どうしても出来ないのであれば目標の数字を見直すのもありです。
明確な目標・計画を立てることで、今日一日何をすればいいのかはっきりします。計画に沿って、一日一日行動を積み重ねていくことが、長期間努力を継続し続けることに繋がります。そして定期的に計画を見直すことで、間違った方向に努力し続けることも防げます。
具体的で、誰が見ても分かりやすい目標・計画を立てて、成功に一歩近づきましょう。
4.やりやすい環境の確保
仕事に集中できる環境を整えましょう。
ただでさえ、活動できる時間が少ない週末起業です。活動できる時間は、最大限集中できるようにように環境を整える必要があります。
整えるべき環境は主に、時間、場所、人間関係です。
まずは、時間。1週間のスケジュールをしっかり組みましょう。本業がある以上、週末起業に使える時間は限られてきます。限られた時間を有効に使えるように、あらかじめスケジュールしておきましょう。
スケジュールの組み方は、先ほど立てた計画の「今週」と「今日」の目標が達成できるように振り分けます。スケジュールを組んでみて、時間的に厳しいと分かれば計画の見直しもできます。
次に、場所です。仕事に集中できる場所を確保しましょう。作業の途中で何か他のことをして中断してしまうと、もう一度作業に戻って集中するまでに時間がかかってしまいます。これをしていると、いつまでたっても仕事の効率は良くなりません。仕事の邪魔が入らず、強制的に仕事に集中できる場所を作りましょう。
基本的には、仕事に集中できさえすればどこでも良いので、自宅が一番集中できるという人は自宅でもいいでしょう。カフェやファミレスでもいいですし、人によってはカラオケボックスという人もいます。レンタルオフィスを借りるという方法もありますが、安くはないレンタル料がかかるので、週末起業を始めたばかりのうちは、あまりおすすめしません。
コワーキングスペースもとても良いと思います。コワーキングスペースでは、違う業種の人たちが集まって仕事場をシェアします。それぞれがそれぞれの仕事をするので、邪魔は入りませんし、周りの人が仕事をしている姿を見てモチベーションも上がります。
また他業種の人との交流の場にもなるので、情報の共有や、新たな仕事に繋がる可能性もあります。料金も1日単位で数千円と手頃なので、一度利用してみると良いでしょう。私は、起業した当初、東京五反田のPAOを利用しました。「起業18(ワンエイト)の新井一(あらいはじめ)のブログを読んだと」問い合わせてみてください。良いことがあるか分かりません(笑)(参考:「五反田シェアオフィスPAO」)
また、場所が確保できても、そもそも集中できなかったら意味はありません。他のことに気が散らないために、作業時間中はスマホの電源を切ったり、メールの通知をオフにするなどの工夫をしてみるのも良いでしょう。集中できる仕事場を確保し、作業の効率化を図りましょう。
最後に、人間関係です。
前向きになれる人間関係を築きましょう。周りの人から受ける影響はとても大きいです。ネガティブな人ばかり集まればネガティブになるし、ポジティブな人ばかり集まればポジティブにもなれます。
起業に対して前向きになるには、同業者、もしくは自分と同じような志を持って頑張っている人と知り合いになることです。
周りにそんな人がいると「自分も頑張ろう!」とやる気が出ます。同じ悩みを共有できることも多いでしょう。アドバイスを貰えたり、新しい仕事を貰えることもあるかもしれません。
もし、時間が無くてそういう場に行けない人や、人付き合いが苦手な人は、SNSなどで同じような立場で頑張っている人を探してみましょう。同じ立場で頑張っている人の現況報告を見るだけでも、とてもやる気が出ます。「一人じゃない」と思えることがとても大事です。
週末起業や独立など「行動」を起こす人を批判的に見る人は少なからずいます。せっかくやる気になっても、批判をされると気持ちも萎えてしまいます。友人に批判されたら「分かってくれると思ったのに」と余計にショックも大きいでしょう。そこで心が折れてしまうと、起業に対するモチベーションを失ってしまうこともあります。
難しいとは思いますが、周りの反応、特に批判的な反応は気にしないようにしましょう。
人にはそれぞれ考え方があるので「理解し合えないものは理解し合えない」と割り切って、相手に無理に納得してもらおうとしなくても大丈夫です。絶対に納得してもらおうと、自分の考えを押し付けても、ぶつかってしまうだけなので良いことは一つもありません。
批判的な人を納得させるには、結果を出すしかありません。「絶対に成功して見返してやる!」ぐらいに思っていれば大丈夫です。ネガティブな感情を逆手にとってやる気を出す人もたくさんいます。
それでも批判が気になって起業に悪い影響が出るのなら、その友人とは少し距離を置いたほうがいいでしょう。きっと周りの友人は批判的な人ばかりではないと思います。応援してくれる人もいれば、協力してくれる人もいるはずです。
人間関係で一番大事になるのが「家族」です。友人に納得はしてもらわなくて良いと言いましたが、家族は別です。家族を持っている人であるのなら、家族にだけは必ず理解して納得してもらいましょう。
起業は生活に直接関わってくることですし、特に家族にとっては金銭的な面での不安も大きいはずです。週末起業は仕事を続けながらできてリスクが少ないということを、しっかり説明して理解してもらいましょう。
そして、家族との時間もちゃんと確保しましょう。仕事以外の時間は、すべて起業のために使う、というのは良くありません。スケジュールを組むときに、家族との時間も考慮して組みましょう。
もし納得してもらえなくても、隠れて起業するのはやめましょう。コソコソやるのは効率も良くないですし、余計なストレスも溜まるので、本業にも週末起業にも家族にも、悪影響しかありません。
まずは、家族にも安心して納得してもらえるように説明しましょう。
4つのコツを意識して週末起業を始めましょう
週末起業を始める時は、この4つを意識してみてください。一つ一つで見れば、どれもそんなに難しいことではないと思います。
週末起業を始めて、成果を出すのはとても長い道のりになります。成功するには正しい方向に向かって、継続して努力を続けるしかありません。努力を継続するには、無理なく続けられる方法でやるのが一番です。4つのコツを意識して、無理なく努力を続けて成功を収めましょう。
「週末起業」と「副業」の違い
仕事をしながら、本業とは別のところから収入を得るという意味では、同じものだと思っている人もいるでしょう。
ですが、週末起業と副業では大きな違いがあります。それは「起業をする」という点です。
週末起業と一般的な副業の違いは、副業が「本業の会社以外に、別の会社の業務に従事すること(アルバイト)」であるのに対し、週末起業は「本業の仕事を持ちながら、自ら事業を起こしてビジネスオーナーになる」ことを指します。
週末起業とは、自分で一からビジネスを立ち上げるもの。利益を発生させて収入を得る仕組みも、自分で作り上げなければなりません。つまりは、事業主になるということです。自分のスキルやアイデアでお金を生むことができます。
一方で、副業は、アルバイトのように誰かに雇われて収入を得るもの。既にある仕事のシステムの中に入って働き、時間を対価にお金をもらいます。
ビジネスを一から自分で作り上げるという点でも、週末起業のほうが難しいといえます。最初の利益を発生させるまでの時間も長くかかるでしょう。ですが、成功したときに得られる収入が大きいというのが、週末起業の魅力でもあります。
会社員が週末起業を始める5つのメリット
起業をしたいと考えている人が、週末起業から始めるのは、基本的にはメリットばかりです。会社員が週末起業を始める主なメリットは・・・
- 収入をキープできる
- 新しい知識やスキルを得られる
- ビジネスを経験できる
- 給料+副収入で独立資金が貯められる
- 人脈を広げて視野を広げられる
の5つです。1つずつ解説していきます。
1.収入をキープできる
会社員が週末起業を始める最大のメリットは、収入をキープできるという点です。
週末起業を始めたからといって、最初から順調に利益があげられることはほとんどありません。ですが、週末起業なら、いきなり収入が0という心配はありません。また、実際に起業してみて「自分には合わない」と感じることもあるでしょう。そんな時も、収入の心配がなければ、もう一度、別の方法で起業に挑戦することができます。
金銭面での心配がないということは大きなメリットです。それだけで心に余裕ができて、ビジネスに対して冷静な判断ができたり、週末起業自体を楽しめるようになります。
週末起業を楽しむことで、本業の仕事に対する姿勢も変化するでしょうし、新たな気づきがあったり、どちらにとっても良い刺激となって相乗効果を生むことができます。
2.新しい知識やスキルを得られる
会社に長年勤めていると、職種や部署によっては、どうしても同じ仕事の繰り返しになってしまいます。仕事の範囲が限られてしまうと、新しい知識やスキルを身に付ける機会はどんどん減ってしまうでしょう。
週末起業をすれば、普段の仕事では関わらない部署の仕事をすることになります。営業、マーケティング、販売、経理に経営、すべてを自分でこなすことになります。
とても大変なことですが、そこで得られるスキルや経験は今までとは比べものにならないぐらい大きいものです。そして、その経験は必ず本業の仕事にも生かすことができるでしょう。
3.独立する前にビジネスを経験できる
会社員であれば、仕事の出来に関わらず、決まった日に一定の給料が貰えます。ですが、起業をすれば、月や時期によって売り上げは大きく変わります。
商品が売れても、入金は翌月になることも多いです。そうした、資金の流れや資金繰りを、起業する前に経験して身に付けることができます。
また、取引先の撤退で急に仕事を失うことや、社会のトレンドの変化で売り上げを落ちてしまうこともあります。
そうした経験を実際にすることで、独立をする前に厳しい社会で生き残っていくためのスキルを身に付けることができます。
4.給料+副業収入で独立資金が貯められる
一般的には、独立に必要とされる資金は、最低でも生活費半年分ほどと言われています。それに加えて、法人として起業するのであれば登記費用など、さらに30万円ほどが必要になります。
会社から貰う給料では、生活費やローンの返済、将来の結婚資金や子供の学費などで、自由に使えるお金は限られると思います。その中から独立開業資金を貯めるのは、なかなか厳しいものでしょう。「開業資金が貯まったら起業しよう」と考えている人がいつまで経っても起業できない理由はここにあります。
もし週末起業で収入を得られるようになれば、その分をすべて独立資金に回すことも可能です。また週末起業で稼ぐことができていれば、独立する際にも初めからある程度の収入は確保できているはずなので、。生活費の心配もそれほどありません。
5.人脈を広げて視野を広げられる
会社に勤めていると、その業種以外の全く新しい人脈を広げる機会が少なくなります。ですが、週末起業をすることで今まで出会えなかった人たちに出会う機会が増えます。
本業とは違う業種で起業すれば、新たな出会いがあります。本業と同じ業種の副業だとしても、直接お客さんと接する機会が増えます。SNSを通じて、同じような悩みを持つ人や先輩同業者を目にする機会も増えるでしょう。
新たな出会いが増えることで、今まで出会ってきた人や自分とは違う価値観や考え方に触れることができます。自分の視野もどんどん広がっていきます。
また、起業の悩みを相談できたり、サポートをしてくれる人と出会えるしれません。さらには、新しい仕事をお願いされるなんてこともあります。
週末起業をして、少し会社から離れる時間を作ることで、今まで見えてなかった世界が見え、視界を広げることができるでしょう。
⇒ 「週末起業で安定した収入を得る4つのコツを分かりやすく紹介(2)」
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